アファメーションで独立・起業・夢実現。「いきなり!社長宣言!!」-“夢は口に出すことで実現する!”というアファメーション:起業ストーリー

2006年2月 9日

面接のときのエピソード。

夢実現のアファメーションを実践する起業家にもっとも読まれているブログは?

今日はちょっと昔話を。

むか~し、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが…。

…ベタですいません。

昔といっても、ほんの2、3年前の話です。

当時まだ、僕がサラリーマンデザイナー(?)をしていた頃、人手が足りなくなったので、アシスタントを募集しようということなりました。

就職戦線異常あり!?

…ネタ↑古いですよね。(反応した方、あなた30代以上でしょ?)

僕がいたクリエイティブ部門は、その時点ではまだまだ「部」と呼べるほどの規模ではなくて、AD(アートディレクター)兼デザイナーの僕と、アシスタントの2名しかいない小さなものでした。(今はデザイナー&企画を合わせて6名ぐらい?すごいねー。)

募集は、美容系企業や美容室のウェブデザイン、美容ポータルの運営など…パッと聞いた感じはまさに花形です!(実際は…汗。)
求人サイトに募集を出したら、定員1名の枠に、なんと50人以上の応募がありました。

…前置き長いですが(後ろも長いけど。)、そんな面接のなか、とても印象に残ったエピソードのお話です。

面接の達人!?

その彼は、当時大学4年生で、すでに外食産業(だったっけ?)で内定を貰っていました。けれども、とにかくウェブ業界に入りたいという希望があって、たまたま見つけた求人に応募したのだそうです。

いくつかの企業で面接をこなしているらしく、ちょっと“面接慣れ”した感じ。でも礼儀正しく、きちんと場をわきまえた受け答えです。
面接が始まるとすぐにメモ帳を取り出し(※)、こちらの会社説明を熱心にうなずきながら聞いています。質問なども積極的で、さらに“ノリ”も良く、第一印象の部分はクリアという感じでした。

さぁ、募集はアシスタントデザイナーということだったので、いざ作品を見せてくださいという段階。

彼の答えは、

僕は『普通の大学生』なので、作品はありません。

でした。

…うーん残念!

デザイナーという仕事はモノを作る仕事です。知識やスキルがすべてではありませんが、やっぱりモノをひとつでもふたつでも見せてもらわないことには、判断することができません。

偉そうでごめんちゃい。

人としては魅力的だったので、とても残念な気分だったのと、正直、面接疲れのせいで(実はこっちのほうがウェイト高し。)、ちょっと説教モードに突入です。(いまさらながらすいません。)

「ウェブデザイナーになりたいって言ってるのに、なんで作品がないの?『やる気は十分あります!』って口で言われても、それじゃ伝わらないよ。『普通の大学生だから…』なんてぜんぜん言い訳にならないし、ウェブの作り方なんて、本屋に行けばいっぱい本が出てるんだから、独学でサイトを作ることだってできたんじゃない?仮にそれが完成度が低かったとしても、ただ口で『がんばります!』って言われるだけよりもよっぽど説得力がある気がするけど。」

…今考えたら、頭に王冠が見えるぐらい偉そうです。
さらにこのセリフ、言い終わるまでほぼ一呼吸。まったく嫌味な面接担当者です。…って僕ですが。
(重ね重ね&平謝りですいません。 汗)

「他の会社も受けるつもりだったら、今からでもいいから、サイトを作ってみたら。」

仕事もたまっていたので、彼には申し訳なかったけれど、言いたいことだけ言って面接終了です。

心意気!

…とまぁ、ここまでだったら、クリエイティブ系の面接ではよくある話です。
(僕も、初めてデザイナーの面接を受けたときは、けちょんけちょんにやられました。)

その後、数日間はまさに面接ラッシュ。多くの人と面接したので、彼の存在を忘れかけていましたが、ちょうどひと段落したころに彼から一通のメールが届きました。まぁ、面接後のご挨拶メールだと思い、軽く流そうかと思っていたのですが、そのメールは他の人とは違いました。
彼は、僕の説教(すんません×さらに倍っ!)をきちんと受け止めて、ネットで調べながら独学でウェブサイトを作ってきたのです!

はっきり言って、添付されていたサイトは最悪でした。あまりにひどいものだったので、何のサイトだったかさえ忘れてしまいました。
デザインはイケてないし、HTMLはめちゃくちゃ。画像も、いっさい加工なしの角版を切り張りしたようなものがあるだけで、ページ数も少ない…。仕事としては到底使い物にならない代物でした。

け・れ・ど・もっ!!

僕はその「心意気」に動かされてしまいました!(ちょー単純!)

誰でも、たかが面接担当者に、あれだけのこと↑を言われたら腹が立つはずです。たぶんすごく悔しかったと思います。(僕なんかすぐに凹んじゃいますけど。 笑)

「しょーがねーじゃん!できねーんだから!!」

そうやってスルーすることもできたはずです。けれども、彼はそれを素直に受け止めて、「今、自分にできること」を実行したのです!

モノを作るための知識やスキルは、努力することで身につけることができます。
じゃあ、デザイナーという職業についている人とそうでない人の差ってなんでしょうか?
それは彼のように、「そのために今できること」を「やったかやらないか」だけのような気がします。

(※世の中、「センス」という便利な言葉で片付けてしまうことが多いですが、おいおいちょっと待てよと。「センス」なんて、努力の上にあるものなんじゃないのかと。そう思うわけですよ。ハイ。)

僕は、普段、仕事に関してはあまり直感に頼るほうではないんですが、そのときは「彼は伸びる!」という直感で、その時点で絞り込んでいた数名をすべて断って、社長に「彼をぜひ採用したい」ということを伝えました。
(作品を見せると絶対NGだと思ったので、さすがにそれは見せれませんでしたけど…。)

入社した後に、彼に聞いてみました。

「なんで作ってみようと思ったの?」

それに対する彼の答えは、いたってシンプルなものでした。

「いや、確かに『デザイナーになりたい』って言ってるだけじゃ伝わらないって思ったんで…。」

つまり彼は、その時点で「今、自分にできること」を行動しただけなのです。

行動すれば次の現実。

それから数年間、彼は会社での仕事や独学での勉強を通じて、メキメキと実力をつけてきました。それはクリエイティブの人間だけでなく、周りの営業スタッフや、会社の長である社長も認めるほどです。
最近ではウェブマーケティングやサイト企画なんかも勉強し、外部デザイン会社へのディレクション業務などもこなすほどになってきているそうです。(すばらしいっ!)

僕はその会社を退職しましたが、今でも、彼を採用したのは間違っていなかったと思っていますし、僕の期待値をはるかに超える結果を(現在も)残してくれていると思っています。(っつか、へたするとぐいぐい追い抜かれているかもしれません。 汗)

彼のように、

今、自分にできること。

を行動に移せば、必ずなんらかの道は開けます。

もしかしたらそれは、自分が本来望んでいた道ではないかもしれないけれども、少なくとも「次の現実」に進むことはできます。
彼は僕よりもぜんぜん若いですが、あの無謀な(?)行動力は、尊敬に値するものだと思っています。(あ、その部分だけね。)

行動すれば次の現実。

過去の記事でも何度か出てきましたが、彼の「面接エピソード」を思い出すたびに、その言葉をよりリアルに感じます。(笑)

あ。そういえば。

ちなみに彼、面接のときにメモ帳を取り出して熱心に…と書きましたが、帰り際にちらっと見えたそのメモ帳は、何も書かれていないまっさらの状態でした。(ポーズかよ! 笑)

追記。

本人より2点ほど訂正が入りました。(笑)

まず、ネットで調べてではなく、図書館(!)で本を借りて勉強したらしい。
さらに、ウェブサイトを作ってきたのは数日後ではなく、面接の翌日だったそうです。

…どおりで“すごい”サイトだったわけです。(笑)

あと、ちゃんとメモは取っていたそうです。
僕の名前をひたすら書いてただけらしいですけど。

それって…やっぱりメモじゃないじゃん!!

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投稿者 kuro : 2006年2月 9日 03:53 | ID:537

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